昨年12月に母娘起業で会社を設立してから約半年が経ちました。
そろそろブログのテーマにも新しいことを取り入れていきたいと考え、今までの人生で一番学ぶことが多かった子育て経験の話をここに綴っていきたいと思っております。
私が娘を出産したのは大学4年の時でした。
20歳で結婚をして22歳で出産。
何をそんなに急いでいたんだ!と自分で突っ込みたくなりますが、早く自立したいという気持ちと、幸せな子育てを経験したいという強い思いから、若すぎる結婚と出産に繋がったことは間違いありません。
その辺りの話はまた出てくるかもしれませんが、今回は自分の考え方に変化をもたらした学びについてのお話です。
娘が小学4年生になった頃のこと。
女の子は心と身体の成長が早いので、この辺りからいわゆる思春期に突入します。
思春期のこどもの心はホルモンバランスの関係で日常的に情緒不安定です。
さっきまでニコニコしているかと思えば急に怒り出したり、甘えている時と無愛想な時の落差が激しかったり、自分でコントロールできない情緒にまたイライラするんですよね。
始めは少々戸惑いましたが、私はこの状況とじっくり向き合おうと考えました。
そこで思いついたのが、心理学を学ぶということ。
思春期特有の子どもの気持ちを知って、娘と良好な関係でいたいという気持ちからでした。
『思春期』と『心理学』の2つのキーワードに引っかかる書籍を片っ端から読み、理解に徹する努力をしました。
そうして学びを進めるうちに、ふと自分が思春期だった頃のことを回想するようになったのです。
私は、心理学的におすすめされているのとは真逆の対応をされて育っていたことに気づきました。
子どもにこんな言葉をかけるのはやめましょう!と書いてあるような言葉を日々かけられていたこと。
子どもにこんなことしてはいけませんよ!と書いてあることをされていたということ。
時代もあったんだとは思います。
私が育った頃は親の言うことは絶対みたいな空気がありましたからね。
ただ、もう少し子どもの気持ちを考えた接し方をしてくれていたら、自分はこんなに卑屈な人間になっていなかったんだろうなというのが最初の感想でした。
この頃の私は、ひとの顔色ばかり伺っていましたし、自分に自信がなくすぐに落ち込んだりしていました。
また、感情のコントロールができなくて泣いたり怒鳴ったりというような怒り方もしていたのです。
今でこそポジティブ思考とか言っていますが、当時の私はネガティブの塊でした。
いわゆる自己肯定感の低い人間だったのです。
自己肯定感は子どもの頃の環境が大きく影響しています。
私は、一緒に生活している養育者から肯定されずに育ったので、自己肯定感が低いまま大人になっていたのです。
それが低いと自分に自信がないのでひとにも寛容になれません。
でも、それは自分自身が育った環境に原因があったんだと気づいた時に、なんだか少しホッとしたんです。
環境から出来上がった性質なら、自分自身で変えられるかもと捉えることができたからです。
もちろんすぐにそんな考えが生まれたわけではありません。
誤解を恐れずに言うと、最初は恨みのような感情が生まれてきたんですけどね。
「私がこんなふうになったのは私を育てた養父母のせいだ」と。
時間をかけて学びを進めるうちに、その感情がいつからか消えていったのですが、これは心理学と同時にコーチングを学んだことが大きかったのだと思います。
心理学を学んで考え方のルーツを解明できたとしても、どう改善すれば良いのか、どんな行動をすれば良いのかわからなければそこで止まっていたかもしれません。
コーチングを学ぶことで自分自身と客観的に向き合い、思考のクセや習慣を改善する事ができたのは大きな成果でした。
娘の気持ちを知るために学び始めた心理学とコーチングが、自己を知るきっかけになったのです。
とはいえ、学んだからといって実際にその通りにいくことばかりではありません。
学び始めてからも、自分の感情をコントロールするのには時間がかかりました。
ここには書けないような暴言を吐いたこともありますし、娘と取っ組み合いの喧嘩をしたこともあります。
それでも今、良好な母娘関係でいられるのは、やはりこの当時に心理学とコーチングを学び、思考のクセを改善し習慣を改めたからだと思うのです。
子育てにコーチングはとても有効です。
それは子どもに実践しながら自分自身も成長できるからです。
そして、子育てで実践していたコーチングを企業の人材育成に取り入れるのが私の研修スタイルなのです。
今の自分のスタイルはまさにこの当時に学び、何度も何度も実践したものです。
営業スキルや接客マナーをいくら学んでも、その場限りでは意味がありません。
学んだスキルを自分のものにする必要があるのです。
こういうルールだから、マナーだからこうしましょうというのではなく、どうすれば相手に喜ばれるか、どうすれば売り上げが上がるのか。
そういう根本的なところを自分の頭で考えると、自然とふさわしい振る舞いができるようになるのです。
そしてそれは自分にとって当たり前のいわゆる『習慣』となります。
誰かに指示や命令されて行動するよりも、自分の頭で考えた行動は習慣化しやすくなるのです。
また、成果が出ないときにはさらに自分で考えて改善することもできる。
ひとを育てると言うことは、正にこういうことだと私は考えています。
自分の頭で考えられるように導いてあげること。
これが親や上司に与えられた役割ではないでしょうか。
私はコーチングを学ぶ事によって、物事を主体的に捉えて自分の頭で考える習慣が身につきました。
褒められる方をではなく自分が好きな方を選ぶように。
ひとの目を気にするのではなく自分の意思や考えで行動するように。
自己肯定感が高まると、自分のことだけではなくひとのことも客観的に捉えられるようになります。
子育てをするように部下や後輩の気持ちを考え接することができれば、健康的な職場の人間関係が出来上がるとは思いませんか。
親子であろうが上司と部下であろうが『ひと対ひと』であることに変わりはありません。
立場がどうであれ、言ってはいけない言葉や、とるべきではない態度は同じはずなのです。
大好きなひとに決して吐かないような暴言、大好きなひとに決して取らないような失礼な態度は、相手が子どもであっても部下であってもとるべき態度ではないのです。
「自分がされて嫌なことはしない、自分がされて嬉しいことはひとにしてあげよう!」というシンプルな考え方を持つ。
ただそれだけで、学校や会社、さらには家庭の中などあらゆるコミュニティーでの人間関係の問題は減少すると思います。
私が子育てで実践した第一歩が正にそれでした。
このブログを読んでくださっている方で、人間関係に悩んでいるという方がいらっしゃるなら、まずはその考え方を持ってみてください。
心の曇りがどんどん晴れていき、いい意味でひとのことが気にならなくなりますよ。
今日は心理学とコーチングを学んだきっかけのお話しでしたが、今後はもっと具体的なエピソードなどをここでシェアしていきたいと思っています。
どこかで誰かのお役に立てれば幸いです。