みなさまこんにちは。
今日は若手の育成に悩んでいる一人の女性会社員のお話です。
ある企業にお勤めの40代の女性は、業界10年以上のベテランで若手の教育係に指名をされました。
以前、教育に失敗した事があり(本人談ですが)若いひとが怖いというのです。
どういう経験をしてそんな思考になったのかじっくりと聞いてみることにしました。
若手のどんなところが怖いのかという質問にこのように答えました。
「全く言うことを聞いてくれないし、反抗的なんです。」
なるほど。
どこかで聞いたことのあるような答えでした。
そこで具体的にどのような教育をしているのか、色々な事例を挙げて詳しく話してもらいました。
業界のベテランだけあって仕事に対する考え方も立派で、確かにこの方のコピーがもう一人誕生すると、会社にとっては即戦力としてありがたいかもしれません。
しかし、話を聞いていて私には引っかかることがありました。
この女性は優秀が故に、自分のやり方を事細かく新人に教えているようなのです。
仕事は主に接客業ですが、接客にはマニュアル通りにはいかないことがたくさんあります。
基本的な敬語やマナーなどはもちろん教えた通りに素直に実践してくれれば良いと思うのですが、マニュアルに載っていないことはどうでしょうか。
接客に長く携わるひとは必ず自分の経験から生まれた気遣いの行動をするようになっています。
私も前職で接客を行なっていた時には、お客様によって色々なアイデアが出てきましたし、そのお客様が喜んでくださるような行動や言葉がけをしていたものです。
ですが、それはあくまで自分のオリジナルであって、別の人が同じ行動をしたからといって同じように喜ばれるとは限りません。
人それぞれ気遣いの表現の仕方がありますし、お客様との関係構築のためには先入観を持たずに別の気遣いを考えることも良いと思うのです。
もちろん「こんな時どうしてますか?」と質問された時には「自分はこのようにしているよ!」と教えてあげると良いでしょう。
でも、10年の経験から培った気遣いの行動を若手スタッフに事細かく伝えても同じように振る舞うのは難しいでしょうし、若手スタッフからすると細かく言われすぎても、まあなんというかウザいと思うんですよね笑
教育係はマイルールはなるべく押し付けずに基本的なこと以外は本人に任せることも必要だと思っています。
私はこの女性にこうアドバイスをしてみました。
「細かい行動を指示するよりは、心を込めるということを教えてあげたらどうでしょうか。」と。
やり方はともかく、一つ一つの行動に心を込める。
自分のやり方で心をこめた行動ができると、若手もきっと接客が楽しくなるはずなのです。
そしてお客様の心からの「ありがとう」を聞けた時に、接客をしていて良かったという喜びを感じられるからです。
若手スタッフが必ずしも自分が教えた行動をしないからといって、それを「言うことを聞かない」と捉えてしまうのはちょっと残念な考え方ですよね。
教育係に「慕われ力」があれば、若手も自然とやり方を真似るようになると思うのです。
私の言葉をどう受け止めたかはわかりませんが、前向きな言葉が聞けたので今後の変化を楽しみにしています。
さて、人事を担当する方へのお願いです。
教育係の選定は慎重にしてくださいね!
勤続年数が長く会社のことをよくわかっているからといって教育係が適任だとは限りません。
教育係は勤続年数ではなく「ひと」を慎重に見て選定する必要があります。
相手の個性を尊重し、思いやりの気持ちを持った人物でないとひとを育てることはなかなかうまくいきません。
若手がすぐに辞めてしまうという問題がある会社は、もしかしたら教育係を見直す必要があるのかもしれません。
そこに目をつければ、若手が自分の個性を生かしていきいきと働けるそんな職場になるはずですよ。
社内に適任者がいないのであればまずは教育係の教育から始める必要があります。
その時はぜひご一報ください笑
個性を潰さずに会社にとって有益な教育係の教育をいたしますよ!!