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褒めるのが苦手なあなたへ

全国各地で大雨による甚大な被害が起こっています。

近年は、我々が子どもの頃の『夏』とは少し様子が変わってきているようです。

異常に高い気温やゲリラと呼ばれる豪雨など、数十年前にはほとんどなかった項目が連日ニュースになっています。

心の持ち方や行動も環境などの変化に対応していかなければなりませんね。

さて、先日とある場所でこのようなお話を伺いました。

職場での部下の育て方についてのお話です。

20代の頃から先輩の背中を見て仕事を覚えてきたという男性。

仕事ぶりは優秀で30代半ばでリーダー的な立場になったが、彼のもとで部下がまったく育たないとのこと。

特に最近は褒めて伸ばすことの大切さを耳にするが、そもそも褒め方がわからないというお話でした。

褒め方がわからないというのはよく相談を受けるテーマのひとつですので、今日はここで私なりの考えを書いてみたいと思います。

褒め方がわからないや、褒めるのが苦手だという人は今から述べる3つの勘違いをしていませんか?

勘違いその①『褒める=甘やかす』

「褒めなければ仕事ができないなんて…」

「我々の頃は褒められなくても仕事をしていた…」という考えが浮かんだ人は『褒める』と『甘やかす』を混同しているのではないでしょうか。

褒めることは甘やかすことではありません。

褒めることは認めることだと思うのです。

「職場でのあらゆることは仕事なんだからやって当たり前」という考えは最もですが『当たり前プラスアルファ』の部分を見つけて、認めて、それを言葉にする。

ただそれだけで良いのです。

例えば、部下が期日前に書類を提出してきたら、期日より早かったというプラスアルファの部分を事実として受け止める。

そしてそこを声に出して伝えるのです。

「早かったね!」などの短い言葉でも良いのです。

書類を提出するのは仕事として当たり前ですが、期日より早かったというプラスアルファの事実をきちんと認めてあげる。

ただそれだけで良いのです。

そうすると部下は早く提出した甲斐があります。

それをいつも通りに受け取るだけで言葉をかけずにいると、部下としては「早く提出しても期日に提出しても一緒なら別に頑張って急ぐ必要はない」という気持ちになるのです。

共有スペースをいつも片付けてくれている部下がいたらどうでしょうか。

掃除や片付けも仕事のうちだから当たり前と捉えるか、誰がやっても良いことを自主的にやっているという事実を認めて「ありがとう!」と声をかけるのでは部下の仕事に対するモチベーションが変わってくるとは思いませんか。

どんな些細なことでもプラスアルファを認めて声をかける。

そんなところから始めてみてはいかがでしょうか。

勘違いその②『褒める=媚びる』

これもミドル世代によくある勘違いです。

このような感覚がある人はプライドが邪魔をして褒めることができないようです。

褒めることは媚びることではありません。

先ほども述べたようにただ認める、それだけで良いのです。

機嫌を取るようなわざとらしい声がけや、賞賛は特に必要ないのです。

プラスアルファの部分を見つけるのが苦手な方は、今の自分と比べずに若かりし頃の自分を思い出してみてください。

自分は上司や先輩に褒めてもらえなかったかもしれないけれど、その分自分は部下を褒めてあげよう!と考えると今の若い世代の褒めポイントも見えてくるはずですよ。

勘違いその③『褒める→なめられる』

褒めて優しい上司になるとなめられるのではないかと考えている人。

これに当てはまった人にはちょっとグサッとくるかもしれませんが最後まで読んでくださいね!

もしなめられるとしたらそれは褒めること以外に原因があります。

なめられる原因はあなたの仕事ぶりや振る舞いではないでしょうか。

普段のあなたが上司として立派であれば、褒めたからといって部下からなめられるはずありません。

そこを取り違えていてはいつまでたっても慕われる上司にはなれません。

自分に自信がない上司ほど部下を褒めないという人は多いようです。

若者に脅威を感じているのでしょうね。

自分に自信がある人は他者の優れたところを素直に認めることができます。

自分に自信を持つ。

自己肯定感を高める。

結局はそこにつながるのです。

自己肯定感が低い上司のもとでは決して良い部下は育ちません。

人事担当者は、社員の業績や勤続年数だけではなくその人の内面をしっかりと見てリーダーを選出してください。

若手が育たないや、社員の離職が続いているのなら、その原因は『最近の若者』ではなくリーダーにあるかもしれないと考えてみてください。

優れた社員でもリーダーとして適任がどうかはまた別の問題です。

昔の常識が現代の常識とは限りません。

環境も変化しているように、世代や教育、感覚や指導方法も変化を遂げているのです。

いつまでも「最近の若者は…」と言っているようでは変化に対応できません。

変化に対応してこそ強さが生まれる。

これからを担う若い世代を、もっと大切に大切に育てていきましょうよ!

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