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認識のずれ

言葉の捉え方は人それぞれです。

したがって、誤解を招かないためには曖昧な表現はなるべく避けることをおすすめします。

特に、ビジネスシーンで上司が部下に指示を出す時などは、主観が入った指示で認識のずれが起きることがあります。

ある企業での上司と部下のやり取りでこんなことがありました。

何かに取り組んでいる部下に別の仕事を依頼する上司。

「手が空いたらこれしておいて!」と。

「わかりました!」と素直に返事をした部下。

しばらく経ってから上司が部下の様子を伺うと部下は談笑しており、先ほど依頼した仕事にはまだ手をつけていない様子。

上司はなんだかモヤモヤします。

「手が空いたらしてとお願いしたのに、手が空いてもしてない!!」と。

仕事を依頼する際に使った「手が空いたら」という言葉の捉え方にずれがあったようです。

上司は「本当は今すぐしてほしいけれど、忙しそうだからその仕事が終わったらすぐに」という意味合いで依頼したつもりでした。

「手が空いたら」をクッション言葉のように使っていたのかもしれません。

一方部下の方はというと「手が空いたらということは、それほど急ぎではなく空いた時にすれば良いんだ」という捉え方をしたようです。

相手がどのように捉えるかを想像せずに曖昧な表現を使っていると、このような認識のずれが生じてしまいます。

上司も部下も自分の認識が「普通」だと思っているので、このまま放っておいては認識のずれは解消されません。

同じようなことが何度も起こり、そのうち上司はこの部下のことを「仕事が遅い」や「指示を聞かない」なんてレッテルを貼ってしまうかもしれません。

部下はこの上司を「いつもイライラしている」や「自分に八つ当たりしてくる」と感じるようになるかもしれません。

このような認識のずれを防ぐためには「手が空いたら」や「なるべく早く」のような人によって捉え方が違う表現よりも「◯日までに」や「◯時までに」と具体的な期限を示す方が良いですよね。

部下側も上司からの依頼で期限を示されなかった時は、自分から聞いてみると良いと思いますよ。

色々な方から、会社でのお悩みや人間関係の相談を受けていると、きっかけは些細なことのように感じます。

しかし、些細なきっかけが原因だったとしても、ひとに対して一旦芽生えたマイナスな感情をプラスに回復させることはなかなか難しいようです。

最初に認識のずれが生じた段階で誤解を解けていれば、この上司と部下もお互いに相手を理解する良い関係になっていたかもしれません。

自分の感覚や常識が必ずしもひとに当てはまるとは思わないように。

私も時々マネージャー(娘)から指摘をされますが、素直に受け止めるよう心がけています!

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