先日嬉しい出来事がありました。
研修とコンサルティング契約をいただいている、とある企業の社長とミーティングを行なった際のことです。
ここ最近、社員の意識の変化を実感する出来事が多々あり感謝しているというお言葉をいただきました。
それを実感してくださっただけでも十分に嬉しかったのですが、具体的なエピソードをお聞かせいただけましたのでここで少しだけご紹介いたします。
まず、コミュニケーションが苦手で社長が現場に出向いてもあまり話す機会がなかったという新入社員の男性。
近頃、社長を現場で見つけると、あちらから近づいてくるというのです。
そして挨拶を交わした後もなんとなく近くに留まり、社長と上司の会話中も側を離れないとのこと。
この行動について社長は、この新入社員の男性が上司たちの会話に興味を持ち、そこから学びを得ようとしてるのを感じたそうです。
この方の前向きな変化を感じ取った社長は、今までは幹部としか話さなかったことを新入社員の前でも話すようになったのだとか。
新人だからまだわからないだろうと決めつけずに、会話から得られる知識やヒントをどんどん吸収してほしいというお気持ちなのでしょう。
この男性は研修時の自己分析で、コミュニケーションが苦手だとおっしゃっていました。
接客業においてコミュニケーションが大切なのは言うまでもありません。
そこが苦手だと言われると悩ましいところですが、実際にはそういう方もたくさんいらっしゃいます。
そして前回の研修では、苦手克服のためにまずは先輩や上司とのコミュニケーションの機会を増やすと宣言していました。
これはもちろん私が指示したわけではありませんし、誘導もしていません。
あくまでご自分で考えて宣言したのです。
そしてそのためにできることを考えて行動に移しているのです。
先輩や上司との接触機会を増やし、話を聴く機会を増やす。
仕事の知識だけでなく雑談力を身につける。
といったところでしょうか。
この方の変化を嬉しそうに話す社長をみて、私も嬉しくてたまりませんでした!
身近なひととのコミュニケーションで自信がつくと、お客様とのコミュニケーションにも徐々に自信がついてくるでしょう。
まだまだ伸び代がたっぷりなこの新入社員さんに今後も大注目です!!
次に話に登場したのは、若手社員の中では先輩株の20代の男性。
主任という肩書きを持ち担当部署の報告業務を担っています。
少し前までは「報連相」が不十分で、忘れることや、あっても端的すぎる事が多かったそうです。
この方は研修時に自己分析でこのように話していました。
「報連相」を行う際に、こんな些細なことは言わなくても良いかなと自己判断で省いてしまう事があると。
そしてそれを改善すべく、質にこだわった「報連相」をこまめに行うと宣言していたのです。
宣言通り丁寧な「報連相」を行なっているようで、その変化を社長は嬉しそうに話してくださいました。
お二方共自分で決めた行動を主体的に行っているので、それはきっとストレスなく習慣化されるでしょうし、行動に改善が必要だと感じた時には、その方法を自分で見つけて取り入れることもできるはずです。
ひとにはそれぞれ個性がありますので、それは仕事のやり方や成長のスピードにも表れてきます。
上司や先輩がそれをよく理解し個性を尊重する気持ちで接すると、若手も生き生きと働けるはずなのです。
早く仕事を覚えてほしい。
早く一人前に育てなければ。
と、焦る気持ちもわかりますが、焦って良い事は何もありません。
若手の成長を根気よく待ち、それが見え始めた時にはうんと褒めてあげる。
仕事を教えるだけではなく、変化のはじまりを見逃さないように見守ることも、上司の大切な役割なのです。
今回のエピソードが、若手社員の指導に悩んでいる方の良いヒントになれば幸いです。